ずっと以前に書いたダメなもの「キーボード」(1)に、最近になってコメントが寄せられた。コメント欄もご覧になっている読者はご存じだと思う。
書いた本人ですら忘れかけていたのだが、自分の興味のあることは書いておくものだと思った。もはや消えてゆくだけかと心配していたM式配列が、JISキーボード上に再現される「五十音ソフト」として開発されたことを開発に携わった方から教えていただけたからである。
また、(1)中の記述について、ご指摘を賜った。現在圧倒的なデファクトスタンダード(事実上の標準規格)であるQWERTY配列の成立について、私はこう書いた。
QWERTY配列はタイプライターのハンマーが絡まないようにするため、わざとスピードが出ないように作られた配列と言われている。
これは私の知る限り通説(圧倒的多数説)とされているようだが、「QWERTY配列に対する誤解」を読むと、どうやらそうではないらしい。
「QWERTY配列・タイプライターのハンマー絡み説」には他にも色々反論があって、タイプライターの機構上打鍵速度を落とすこととハンマーの絡みはそもそも別問題である、などという反論もあるようだ(こちらなども参照のこと)。
今回ご指摘を受けて色々調べた結果、「QWERTY配列・タイプライターのハンマー絡み説」はかなり怪しげな説であると考えるに至った。(1)の記述の方にもその旨追記しておく。
* なお、『yasuokaの日記』には上記の記事以外にも、キー配列の歴史に関する興味深い記事が掲載されている。また、コメント欄に寄せられている意見なども非常に参考になるので、興味がある方には是非ご一読を勧める。
閑話休題。
配列のことは(1)で書いたので繰り返さない。今回私が取り上げたいのはキーボードの形状である。
何故キーボードのキーは右上から左下へと斜めに配列されているのだろうか。キーボードに向かう際、普通両手がハの字で出てくるから、右手は打ちやすいと思う。しかし、左手の方(vやz)は打ちにくくないだろうか? 私はJISキーボードを使っていた頃はいつも左手の打鍵にストレスを感じていた。
私が現在使っているM式キーボードは、その点キーの並び自体が「ハの字」になっている。(下写真参照)
このキーボードを使いやすいと感じたのは、キー配列や「ou」「ai」「ei」キー、親指シフトだけではない。むしろ、人間工学に基づいて作ってあったその形に最も使いやすさを感じた、と言っても過言ではない。
最近ではこれのようにキーをハの字に配列したキーボードも発売されてはいる。しかし、そのキーの並びは相も変わらず「斜め」なのである。人間工学に基づいてデザインしておきながら、なんでキーの並べ方は相変わらずなんだろう、せっかくだったら打ちやすさも考慮すればいいのに中途半端だな、と思ってしまう。
指を上下に動かすときは、間接の方向からして上下に動かすのが一番楽なのに、なぜ既存のキーボードの大半は相も変わらず「斜め」なんだろうか。キーボードはそれこそ世界中で使われているのに、「もっと使いやすいもの」を作ろうという人がほとんど現れないのは本当に不思議でならない。
(了)
《関連記事》
・ダメなもの「キーボード」(1)
・ダメなもの「キーボード」(2)
《リンク先》
・安岡孝一「QWERTY配列に対する誤解」
『yasuokaの日記』
・「マイクロソフト ナチュラルキーボード プロ」
《トラックバック送信先》
・yossa_blog「キーボード配列の真相」
『六連星』


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